こどものおいしゃさん日記

何だってこんなことになってしまったのだろう

彼らはよく働く

大学NICUのスタッフがよく働くのには驚いた。互いの仕事をカバーし合うのにはさらに驚いた。そして我が身を振り返って、今まで俺はチームで働いたことがなかったんだなと、しみじみ思った。

ちょっと油断すると、やり残していた仕事がいつの間にか埋められている。まるで寝ている間に製品が仕上がっていて驚かされている靴職人のような気分である。むろん、目に見えないこびとさんが深夜帯に稼働しているわけではなく、あたりを見回せば身長148cmくらいの緑色のこびとさんをはじめ、たくさんのスタッフが常に何かしている。活気があってよろしい。沈滞した雰囲気がない。

これも最近の大学NICUが上り調子にあると言うことの、ひとつの現れなんだろうと思う。

油断して主導権をとられてしまったことも再々で、そのたびに反省はするのだが、仕事の取りかかりが遅いのだろう、まるで洞調律に支配される心筋細胞のように出遅れ続けている。

なにさま、今まで自分が働いているNICUで他の医師が同時に働いているという経験が、自分にどれほどあったことか。若手がいたこともあるが、小児科外来や一般病棟の仕事もあるので、同時に二人以上がNICUに詰めることの可能な時期などごくわずかであった。先生がもうすこしNICUに居れるような体制にしないと危険ですね、と言い残して去った若手もいた。

働く人間がその場には自分しか居ないという環境で、率先しててきぱき働くような人徳は自分にはなかったとあらためて思う。あったつもりなんだけれどもね。振り返ってみると、どうせ俺しか居ないじゃないかということで、自分のペースでゆっくりやってたってことだろうと思う。刺激伝導系から切り離された心筋が独自のペースで収縮するようなものだ。