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こどものおいしゃさん日記

何だってこんなことになってしまったのだろう

ワクチン

小児科外来

妻が録画しておいてくれていた「クローズアップ現代」のワクチンに関する特集を観ての感想。

ワクチンの定期接種化を「只にする」という文脈だけで語ってしまうのは片手落ちだと思う。定期接種と任意接種の違いは、接種費の負担は二義的なことで、一番の違いは副反応が生じたときの補償の手厚さだ。任意接種のワクチンは一般の医薬品とおなじ扱いだが、定期接種のワクチンの副反応に対する補償はきわめて手厚い。*1

以前は副反応が生じた方々への遠慮が過ぎて、ワクチンに及び腰になるあまり、原疾患で重篤な結果になる方々が無為に増えていくという結果になってしまった。その反動のためか、最近は副反応について語られなくなった。しかし副反応の問題が消え去ったわけではない。

もちろん重篤な副作用が発生する可能性はきわめて低いのだが、なんらかの疾病に罹患した人だけに投与する一般医薬品とは違って、対象となる年代のほぼ全員に投与されることを目指すワクチンは、投与される人数が桁違いなだけに、副反応を無視するのもバランスを欠くことだ。

副反応に対する対策を立てるに際して、

  1. ワクチンを任意接種のままにして保護者の選択とし、副反応が生じても自己責任とする。
  2. ワクチンを定期接種として、副反応に対しては一般医薬品以上の補償を行う。

どっちか選ぶなら、後者の方が倫理的ではないかと思う。そう言う観点での、ワクチンの定期接種化を望む。もうじき京都でもHibや肺炎球菌やパピローマウイルスに対してのワクチンが公費負担されるけど、任意接種の費用を公費負担しますというのでは副反応が生じた際の補償が片手落ちになる。定期接種化こそが王道だと思う。

もちろん、無料化も大事なことではある。公衆衛生は基本的悪人正機であり他力本願である。自ら助ける者しか助けないのでは公衆衛生の施策はまるで進まない。それで余計な病気にかかる子どもが減るのなら、ばしばし無料にすればよいと思う。その銭を社会が出すのかよという問いには、とりあえず、すでに子ども手当とか称して何にでも使える銭を出してるじゃないかよと答えよう。今さらワクチン費用を国から出さないって法はないだろう。とりあえず今のところは子ども手当についてもちろんそのお金で予防接種しますよねと明朗な笑顔で念を押していただきたい。目が笑ってなかったりするかもしれないけれど。

*1:銭さえ出せば副反応が生じてもよいというのかという愚問には応答するつもりはありません。