こどものおいしゃさん日記

何だってこんなことになってしまったのだろう

新生児蘇生法の講習会をやってみた

新生児蘇生法の講習会をやってみた。専門コースと一次コースを各1回。現時点での感想。

一度目はしどろもどろだったが、二度目はかなり様になったかと思う。でもあとで指導中の写真を見ると(ちゃんと講習会をやった証拠に学会に提出しなければならない)シナリオ演習などマニュアル首っ引きなのが見て取れて、なんじゃこりゃと思った。

それはそうだがこの講習会は画期的だと思う。いや、私の指導法がじゃなく、学会の組み立てたブログラムが、だがね。従来の蘇生法講習会は座学とスライドだけだった。やってみるったって、看護師に人形相手の気管挿管なんかやらせてみたりして、なんじゃそりゃと思っていた。この周産期新生児医学会の公認講習会では、講習を受ける人全員に予習が前提で、講義の前にプレテスト、講義のあとには基本的手技練習にくわえシナリオ演習とポストテストがつく。台本通りのシナリオ演習でも、じっさいに自分の頭と手を使ってやってみるってのは、座学の受け身オンリーとは、使用する脳の部位すら異なる。

このシナリオ演習は、武道の型稽古みたいなものなんだろうと思う。私は武道はたしなんだことがないのでよく分からんが。流儀や術派ごとに、言い伝えられた型があって、どの型をどのレベルでこなしたら段位は何段とか、免許皆伝とか。同じ型でも稽古をやればやるほどに、その型に込められた先人の知恵みたいなものの理解が進んで上達したりとか。他所の見学とか他流試合とか就職試験とかでも、型をいくつか演舞して見せたら腕前が知れたりとか。

現代的には、その施設の代表的な医者に、何番の型というのをやらせてみてyoutubeとかニコニコ動画とかに発表すれば、だいたいその施設の程度が知れたりとか。学会の学術集会とかオフ会とかで演武会をやるとか。真剣勝負は別だとか寝言を言う向きもあるかもしれんが(私など真っ先に言いそうだな)しかし一度負けたらそれで引退の真剣勝負を何回もやれる人間はそうそう居ないし、それよりは毎日毎晩の型稽古を詰んだ人間の方が腕は上だろうよとも思うし。

とりあえず、これで当院の小児科・産科医師のほぼ全員が専門コースのプロバイダ資格を取ったはずだ。あとは今年中に、周産期病棟の看護師全員に一次コースのプロバイダ資格を取らせるのを目標にする。すべての分娩にこのプロバイダ資格をもったスタッフが立ち会える態勢をなんとか作り上げる。って、今まではどうだったんだよとのお叱りはあるかも知れないが。