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こどものおいしゃさん日記

何だってこんなことになってしまったのだろう

新生児蘇生法講習の修了登録の費用のこと

日本周産期新生児医学会の新生児蘇生法講習会を受講した場合、受講そのものには学会はお金を取らないのだが、修了認定にはお金を取る。8000円で5年間有効。そのお金を病院負担にできないかと画策している。

「当院の周産期病棟スタッフは全員、日本周産期新生児医学会の公認する新生児蘇生法講習を受講し、修了認定を得ております」と、さらっと病院のウェブサイトに書けたら、そうとうの宣伝効果ではないかと思う。というか、そういう点を評価してくださる妊婦さんにこそ、当院でお産していただきたいものだと思う。アメニティも大事だし、マタニティヨガもハーブも結構だけど、そういうことに目を奪われる人ばっかり集まってきては、なにかと詰まらないことで苦労が多くなるような気がする。

しかし今のところ、それをキャッチコピーにする周産期施設はあんまり多くなさそうにも思う。ということはだ、今のうちにそれを謳えたら、それはうちの病院の大きな売り文句になるだろうということだ。今のうちに限る商機なのだろうけれども。何年かすれば極当然の、陳腐なことになるだろう。そのころには、各周産期施設の人事担当者は目の色を変えて、修了者を雇おうと走り回ることになるだろう。

個人に与えられる資格なんだから、個人が出すのが当たり前と、先日知り合いの開業の先生にご高見を頂いた。看護師免許だって自前だろうに。そこに金を出し始めたらボイラーマンの資格だって病院から出すことになるんじゃないか?と。なるほどそれが経営者の感覚なのかと思った。それも道理かもなと思う。その一方で、他院の経営者がまだそういう考えでいるってことは、うちが一歩抜け出すチャンスだってことだとも、思ったりもする。

一方、看護師や助産師たちが言うには8000円は高いとのこと。受講すれば知識や技術は身につけられるし、修了認定を受ける受けないは実力には関係なかろうと言う。それも道理かもしれない。じっさい、私の前任の部長はそう言って、独自の新生児蘇生法講習を行っている。金を出してくれと言う私の稟議書を見ても、あんまり判をつくのに乗り気ではなさそうだ。

でもまあ、前部長の講習は学会の規定に縛られないからと、大人数を寄せて行っている。道具を与えていろいろやっているなかを巡回する形で指導するんだそうだ。助産師学校の何十人かのクラスを一気に指導するにはそうする手もあるんだろう。まあ、それでも受講しないよりは遙かにマシなんだろうけれど、なんだか、お手盛りは堕落の第一歩という実例のような気もする。私の父は経理が仕事で、他者が監査に入ることの重要さとか子どもの頃に聞いて育ったから、なおのことそう思う。

個人に与えられるライセンスなんだけど、みんながそのライセンスをもってるってことは施設としても胸を張れることなんだから、折半というのが世間の相場かも知れない。第三者的な目で見たらそうなんだろうなと思う。

しかし、そこを気前よく全額出すのがこういうときの肝心なところじゃないかとも思う。看護師と病院が4000円ずつとか、いや6000円と2000円だとか、ちまちました値引き合いをしていては、なるほどこの病院はそれだけの額しか出す気が無いんだなとの評価をうけてしまう。世間様とか、裁判長からね。2000円とか4000円とか6000円の補助には、各々2000円とか4000円とか6000円の意義しかないけれど、よっしゃと全額ポンと出す8000円の補助には、心意気で増幅される8000円以上の意義が生じるんじゃないかと思うんだが。